恩送りの宿「ちょ」

観たらきっと旅に出たくなる「グリーンブック 」

こんにちは。
映画好きって言えるくらい映画を見てるけど、いまいち映画レビューが上手くない恩送りの宿「ちょ」のアキヤマリョウタ(@_r_y_o_y_r_)です。

そんな僕が今日は映画レビューをします。

つい3月末にグリーンブックという映画を見に行きました。

そもそもは誘われたのですが、調べて見たら配給会社が「GAGA」。
GAGA配給映画にハズレはないと思っているタチなので、見にいくことにしました。

もう、これがなんのって、いい話だこと!
ゴールデングローブ賞、トロント国際映画祭 観客賞受賞などなど50受賞134ノミネートの、アカデミー賞候補の映画であることに納得!
Blu-ray早く出ないかな。

グリーンブックのあらすじ

舞台は1962年。
ニューヨークのクラブで用心棒を務めるトニー・リップとケネディ大統領のためにホワイトハウスで演奏した経験もある天才ピアニスト、ドクター・シャーリーの二人が登場人物です。

トニーはイタリア系の白人で、黒人嫌い。ガサツで無学な性格で、用心棒を務めるだけあり腕っ節だけはあり、さらにハッタリもかましまくる。けど、そんなトニーのいいところは家族や周囲から愛されていること。

ドクターシャーリーは、黒人。いつも冷静沈着。まさしく天才と言えるような落ち着きとピアノのプレイ。
トニーとは似ても似つかない真逆の性格の持ち主。

そんなトニーが、ある日、ドクター・シャーリーがツアーのドライバーとして雇われる。
ドクターシャーリーが目指すのは、まだまだ人種差別の厳しい時代のアメリカ南部。

性格が真逆な二人が一緒にツアーをめぐりながら絆を深めるロードムービー。

この映画のポイントは、実話を元に制作されたということ。

グリーンブック とは

グリーンブック とは人種隔離政策時代に自動車旅行をする黒人のために作られた、黒人専用のホテルが掲載された冊子のこと。
1960年代、まだまだ人種差別のあった時代で、特に差別の厳しいアメリカ南部を目指す二人は、グリーンブック を頼りに宿を探す。

作品情報

監督:ピーター・ファレリー
脚本:ニック・バレロンガ

ピーター・ファレリーは僕の好きな「メリーに首ったけ」などのラブコメが多い監督です。コメディ監督なだけあって、グリーンブック にも笑えるシーンが盛り込まれていました。

映画を見た人なら、脚本のニック・バレロンガの名前について「アレ?」と思った人もいるかも知れませんが、実は映画の中に出てくるトニー・リップの本名、トニー・バレロンガと同じ苗字です。

何を隠そう、ニックはトニーの実の息子。そんなニックが脚本を手がけることでリアリティのある作品になっているのかも知れません。

トニー・リップ役:ヴィゴ・モーテンセン
ドクター・シャーリー役:マハーシャラ・アリ

ヴィゴ・モーテンセンは「ロード・オブ・ザ・リング」やリメイク版の「サイコ」などにも出ている俳優で、本作の役作りのために20キロも太ったんだとか(!)

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ドクター・シャーリー役のマハーシャラ・アリは「ベンジャミンバトン」「ムーンライト」などに出ています。

この二人の演技が本当に映画の内容とマッチしていてさすがだなぁと思いました。

(ネタバレ)映画「グリーンブック」が示す提起の数々

ここからはネタバレありです。

 

 

 

グリーンブック 、ここまで読んだ方は「黒人差別の映画」という冊子がついたかもしれません。
そうです。まさしく、この映画の軸にあるのは「黒人差別」です。

が、それだけではなくそのほかの「社会問題」「同性愛」「移民」など、いろんな話題が出てきます。

ドクター・シャーリーは天才ピアニストであり、多くの白人の前でピアノ演奏を披露します。
そして、演奏が終われば拍手喝采。人種差別とは無縁のように思えるかも知れません。
しかし、一度ステージを降りれば、肌の色が全てであり、レストランに入って食事をすることもできず、トイレは林の中でするように断られます

他にも、車での移動中、エンジンのオーバーヒートで立ち往生した際、農場労働者の黒人から睨まれるシーンがあります。
同じ黒人であっても、彼のことを賞賛するのではなく奇異の目で見るのです。
それは、彼が“黒人らしからぬ”格好をしているから。

映画の中でドクター・シャーリーはこんなことを言っていました。
「私は黒人でもなく、何者でもない人間」

白人にも黒人にも受け入れられないシャーリーが感じていた孤独感、シャーリー自身の感情が爆発した瞬間でした。

自分の意思を伝えることで分かち合えること

性格や思想、何もかもが真逆な二人が一緒に旅をし、自分の意思を伝え合うことで理解し合う。
人間というのはもともと何もかもが違う。初めから理解できなくて当たり前なこと。
まさしく対話。対話がどれだけ重要かに改めて気付かせてくれる映画でした。
表情が柔らかくなっていく二人がとても印象的でした。